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多様な専門性を持つNRIデジタル社員のコラム、インタビューやインサイトをご紹介します。

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イントレプレナーとして新事業創出を牽引する

CIO(最高インキュベーション責任者)
DX企画 プロデューサー
新井 朗

チャレンジ精神の文化を根付かせる

「DX2.0」の推進と拡大が、NRIデジタルにおける私のミッションです。「DX2.0」とは、デジタルの力で新しい事業をビジネスパートナーとともに創出すること。いわゆる受託型の仕事とは明確に異なります。2016年のサービスイン以来ヒットサービスとなっている「どこかにマイル」はその代表例です。ビジネスパートナーの日本航空様とプロフィットシェア型の共同事業として取り組みました。このような事業投資型のプロジェクトを、私たちのチームは数多く手掛けています。2022年7月に発表されたJR東日本様との新サービス「どこかにビューーン!」もその一つです。

いわゆる0→1の新事業創出プロジェクトは、要件が具体化されていない状態から始まることがほとんどです。そのため、ビジネスパートナーからの要望に応えるだけの受け身の姿勢ではなく、共に考え、トライ&エラーを繰り返しながらチャレンジを続ける、極めて能動的な姿勢が求められます。こうしたチャレンジ精神の文化をNRIデジタルに根付かせたいと思っています。

 

非効率や課題のある場所にビジネスチャンスが生まれる

最近私が注目しているのは、広告・マーケティングの分野です。DXのチャンスは、時代の変化のなかで何らかの非効率や課題が発生している場にあるものです。従来、マスメディアに投入される広告宣伝費は正確な効果検証が難しく、費用対効果が不明確という課題がありました。しかし昨今、SNS、スマホアプリ、動画配信など、デジタルメディアの台頭により、ユーザーの反応がかなり正確に測れるようになりました。実際、マス広告から、デジタルメディアを活用したターゲティング広告へシフトする動きも進んでいます。

例えば、特定のお客様に、特別な体験を提供してエンゲージメントを高めるマーケティング施策は、極めて効果的です。ただしその実現には、そのマーケティング施策をデザインし、システムをつくり、データに基づいて広告効果を検証し、その結果を分析して次の施策を打つ、というサイクルを回すことが重要です。NRIデジタルは、さまざまなかたちでそのサイクルを回す支援をしています。例えば、新しいD2Cメディアの企画デザイン、スマホアプリでの新しいカスタマーエクスペリエンス(CX)の実装、データアナリティクスを通じた効果検証と施策の立案などを行っています。

世界の広告代理店ランキングにITコンサルティング会社がランクインしていることが象徴するように、今後は「ビジネス+IT+広告・マーケティング」を一体化したCXビジネスが増えていくと予想しています。ここに、NRIデジタルの新しいビジネスチャンスがあると思っています。

地域活性化の鍵として「関係人口」の創出に着目

新しいビジネスを企画する時、私は、社会課題起点で考えることを大切にしています。前述の「どこかにマイル」や「どこかにビューーン!」も、単に安く旅行に行く仕組みを提供することが目的ではありません。偶然選ばれた新しい旅先との出会いにより、日本の各地に関心を持つ人を増やし、地域活性化という社会課題の解決に貢献することが目的です。

現在、地域活性化に向けて新たに研究を進めているのは、都市部と地域の「関係人口」創出というテーマです。「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と継続的に関わる人々です。具体的には、リモートワークや別荘が目的で一定期間滞在したり、ECサイトで頻繁に特産物を購入したりするなど、継続的に地域経済に貢献してくれる人々です。こうした「関係人口」創出は、コロナ禍のリモートワーク浸透により従来型の移動需要が減った航空・鉄道業界の新規ビジネスにもつながるテーマだと考えています。

社会課題解決に挑戦するイントレプレナーを増やしたい

新規ビジネスは大企業よりもベンチャー企業の方がやり易いという意見もありますが、私はあまりそう思っていません。大企業で新規事業を行う醍醐味は、豊富な社内リソース(資本・人材・顧客基盤など)を活用して、社会的なインパクトを与える事業を生み出すことです。IPOを目指すアントレプレナー(起業家)よりも、大企業の豊富なリソースを活用して社会にインパクトのある成果を生み出すイントレプレナー(社内起業家)を目指す人は、ぜひNRIデジタルの門を叩いてみて下さい。

 

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