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多様な専門性を持つNRIデジタル社員のコラム、インタビューやインサイトをご紹介します。

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利用者目線を大切に、新技術を活かす

森田 学

--森田さんの特筆すべきDX関連技術・スキルはどういったものでしょうか。

まずは大学時代に、情報系の学科で基本的な知識や学習方法を身につけました。
野村総合研究所入社後の社歴は大きく以下の3つに大別できます。

・2007~2012年 … モバイル端末に関する技術の検証と適用のR&D時代
・2012~2015年 … デジタルマーケティング案件時代
・2016~2020年 … NRIデジタル時代

この過程で、
・デジタルマーケティングにおける接客ポイントの領域でのフロント部分やロジックの構築
・パブリッククラウド上でのデータマートおよびETLの構築
といったスキルを獲得しました。

新技術を採用した、新規でのシステム構築やビジネス創造といったプロジェクトに関わることで、キャリアを形成

--これまでどういったキャリアを積まれてきたのか教えてください。

活動する案件によっての比重はありますが、アプリと基盤という区別もあまりない中で役割を果たしつつ、新技術を獲得して適用する案件や、新規のビジネスの検討・検証活動が多かったです。

例えば、「クレジットカード会社での、カード会員の購買情報を利用したカード会社加盟店への送客サービスの開発」においては、新規にシステムを構築するだけでなく、カード会員の個人情報や金銭(ディスカウント)の取り扱いという、業務やサービスの部分にも携わりました。

「通信系の仕事で店頭接客ナビのシステム開発」においては、接客ナビのロジック部分を中心に担当しました。当初は進展がない状態だったものの、打開策が見つかった後の展開から初回のトライアルリリースまでが2ヶ月程度の展開で進んだので印象深かった案件です。その流れで自分が主担当のシステム側にバトンが渡ってきたのもあるので、よいプレッシャーの中でできた仕事かなと思います。

--こうしたキャリアを積む過程でどのような苦労や楽しさがありましたか。

担当した活動の多くが、新規でのシステム構築ないしはビジネス創造というところからのスタートであり、そこに新技術採用などが重なるということで、いずれもどこかしらで一筋縄ではいかない経験をしたような気がします。

特に印象に残っているのは、あるプラットフォーム利用を前提とした開発です。要件を満たすために当初想定していた機能の組み合わせでは、そのまま利用ができないことが分かると、問題の部分に対してつなぎを自分たちで用意する必要がありました。また、想定していた組み合わせではそもそもうまく機能しないこともあるため、そのような場合には、代替案を模索・実行して目標を達成せねばならないこともありました。こういうことが一度あると、それ以外に自分達が明確に把握できていない箇所は大丈夫なのか?という話になるので、最初の方に全体の見通しをたてる重要性を身をもって学びました。

このように、世の中にベストプラクティスと呼ばれるものが特になく、ある程度の試行錯誤をしながら答えを見つけだしてクリアしていくようなケースは、毎回いろいろと異なるタイミング(工程)で発生しました。課題を克服するために仕事の仕方を見直すのは、苦労でもあり楽しくもありました。

また、特定の顧客×システムでの案件を担当することがあまりないため、毎回の案件で顧客側の業務を知る必要がありました。これも、楽しい苦労と言えます。

エンジニアの立場でありながらも、ユーザー目線は忘れない

--これまでに培ってきたDXスキル・キャリアを、現在どのように活かしていますか?

過去の活動を通して得られた知識や技術を別のプロジェクトで活かすとなると、採用するソフトウェアやプラットフォームが異なるため、そのまま流用できるケースは多くありません。

しかし、過去の活動を通して得られた知識や経験というのは、次回以降のプロジェクトにおいて、考え方の役に立つことが多いです。
例えば、過去に実施した時にはどのように進めたかを振り返ったり、過去に課題となったものを今回の活動ではどうクリアするか検討する、といった方法でそれらを活用できることは多いと感じています。

このようなことが可能であるのは、よいソフトウェアやプラットフォームで獲得できた知識やスキルは、他の部分へもその考え方の転用が利きやすいからだと考えています。

--DXスキルを実際のビジネスに活かすうえで、大切にしていることは何でしょうか。

自分はエンジニアの立場にいて仕事をすることが多いですが、自身の意見や考えが利用者目線でも実際にあてはまるかどうかは気をつけるようにしています。コストや納期など、何を優先したいかと併せてになりますが、作り手の論理になっていないかは意識しています。あとは、目指す姿のイメージを、実際に形にすることが自分の仕事だと思っているので、それを正しく実現することも意識しています。

システム化されていない領域をシステム化し、大きく成長させていきたい

--今後の抱負をお聞かせください。

基本的には全ての工程が効率化/自動化の対象とされていく中で、それを達成することを優先すれば、効率化/自動化 を阻害しないように、できるだけ人が介入しないような仕組みが色々なところでできあがると思っています。

ただ、その中でも人が関わる世界は残りますし、いまだシステム化もされていない世界もあるわけで、その部分をいかに手早くシステム化していき、大きく成長させていくかという領域で、貢献したいと思っています。