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多様な専門性を持つNRIデジタル社員のコラム、インタビューやインサイトをご紹介します。

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小さなチームでビジネスをプロデュースする

DX企画 プロデューサー
吉田 純一

お客さまのDXと同時に、NRIグループ自身のDXを実現する

野村総合研究所(NRI)グループでは、デジタルを活用した企業の既存事業のアップデートを「DX1.0」、事業モデルそのものの変革を「DX2.0」と定義して、お客さまのDXをサポートしています。同時に、NRIデジタルはNRIグループのDXビジネスを牽引する役割も担っています。そのため、私はNRIグループ自身の「DX」に強くこだわっています。一足飛びに事業モデルを変革することは難しいですが、NRIが得意とするコンサルティングやシステム開発の案件であっても、既存と異なるやり方・新しいチャレンジを常に追求しています。

例えば、従来のシステム開発では、大勢を動員した大規模なシステム開発がNRIの王道でした。これに対して私のチームでは「SaaSインテグレーション」と称して、SaaSツールを活用することで開発を最小化し、なるべく小さいチームでお客さまの要件を実現することを志向しています。コンサルティング案件でも、コンサルタントの知識や経験に頼るのではなく、はじめに数週間でデータ活用の基盤をつくり、データに基づいてコンサルティングをするというアプローチをとっています。これらはNRIの既存事業のアップデートであり、NRIのDX1.0というべきものです。

これに対し、コンサルティングやシステム開発を通してお客さまをご支援するだけでなく、お客さまと一緒に事業を創る、お客さまの本業を伸ばしそこからレベニューシェアする、というように、これまでとは違った事業モデルをつくることが、私たちにとっての「DX2.0」であり、私のミッションだと思っています。

お客さまと一緒に事業を創るためには、なるべく小さくシステムをつくり、データに基づいて事業を改善していく必要があります。私たちのDX1.0のアプローチは、DX2.0を実現するための武器にもなっています。

少数のチームで複数の業界を巻き込んだサービス創出に挑む

お客さまが事業モデルの変革を目指す中で、従来の業界の定義があいまいになってきています。私が専門とする不動産業界でも「いかに早く、多くの物件を販売するか」から「いかに長く、多様なサービスを提供するか」という考えにシフトしつつあります。住宅を提供するだけでなく、生活に関する多様なサービスを提供するためには、他業界の商品・サービスも取り扱う必要性があります。

私は不動産を「サービスを提供するためのプラットフォーム」と捉えて、そこで過ごす人々に対する新たなサービス創出を進めていますが、これは従来の不動産会社の事業と異なるだけでなく、どの業界とも異なっています。

このような環境では、「さまざまな業界のお客さまと強いつながりがある」、「中長期の経営戦略のなかに新規事業を建てつけることができる」、「システムを含めてサービスの実現を担うことができる」というNRIグループの強みが活きてきます。特にNRIデジタルでは、1つのチームの中にもコンサルタント、エンジニア、ビジネスデザイナー、マーケターなど多様なスペシャリストが在籍しています。私のチームだけでもオールNRIと同じ機能を提供することができるというのは、NRIデジタルの強みであり、NRIデジタルでの仕事の面白いところです。

組織や業界の枠にこだわらない働き方

業界の境界がなくなるだけでなく、リアルとデジタルの世界の融合がもっと進んでいくと考えています。NRIデジタルでは顧客のオンライン・オフラインの行動を可視化するSaaSインテグレーションサービス「OMO OnBoard」を開始しました。もともとは、スマートホームやスマートシティといった不動産のデジタル化を実現するために構想したサービスでしたが、小売や金融、インフラ系企業などさまざまなお客さまとの検討が始まっています。いまはそれぞれの業界で個別のプロジェクトを進めていますが、ここでも業界を超えたサービスの繋がりが生まれそうです。

デジタルの世界だけでなくリアルの世界を対象にする過程で、ハードウェアスタートアップや、空間のデザインをする方々との接点も増えてきました。お客さまの業界の境界がなくなるだけでなく、私のチームでも自社と他社の境界がなくなってきていると感じます。社内にさまざまなプロフェッショナルがいることは強みですが、ビジネスの領域が広がる中ですべてを自前でカバーすることは難しくなっています。社内と同様に、社外のプロフェッショナルの方々もチームに加えて、NRIデジタルだけでは実現できないことをプロデュースしていきたいと考えています。

現在も、複数のお客さまとの取り組みやNRIデジタルの新しいプロダクトの開発など複数のプロジェクトが進んでいます。順次、NRIデジタル公式ホームページ内の「マーケティングDXソリューションサイト」でも公開していく予定ですのでご期待ください。

 

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