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Google アナリティクス 4(GA4)の導入メリットと、今後マーケターに求められること

GA4(Google アナリティクス 4)とは2020年10月に正式リリースされた、第4世代のGoogle アナリティクスのことです。

既存のユニバーサル アナリティクス(GA)での計測は23年7月1日で終了するため、それまでにGA4への移行が必要になります。
また現在のGAとGA4では計測タグが異なるため、新たにタグの設定が必要です。

Googleからのアナウンス(2022/03/16)


出所)https://support.google.com/analytics/answer/11583528


【無償版の場合】
  • 現在のGAで計測できるのは23年7月1日まで
【有償版の場合】
  • 2022年はGA360、New GA360のどちらかを選択可能
    2023年はNew GA360での更新が必須
    最大で23年10月1日まで計測可能
【共通】
  • 計測終了後も最低6ヶ月は過去データを参照可能
    (時期未定ながら最終的には参照もできなくなる
  • GA4への移行のためには新たにタグ設置が必要
  • BigQueryにエクスポートされる項目も異なるためCDPのバッチ処理も修正が必要

最終的にGAは参照もできなくなるかつ、GA→GA4へのデータ移行はできないこと、またGA4は様々な点(計測や画面、データの持ち方)でGAと仕様が異なるため、早めにGA4導入を計画し動き出す必要があります。

導入にかかる工数は、現状のGAの使い方によって大きく異なる(レポート数や拡張Eコマース利用有無、GA360かどうかなど)ため一概には言えませんが、無償版の期限である2023年7月1日から逆算して一年(前年比をみえるようにするため)前からデータ蓄積を開始するために、今(2022年5月現在)急ぎで対応している方も多いと思います。

このようにGA4についてはマーケター界隈でバタバタした話が多い状況ですが、今回はGA4導入によりデータ分析、活用観点で得られるメリット+マーケターに求められることについて話したいと思います。

Google アナリティクス 4の導入メリット

①Webとアプリを横断してユーザ分析ができるようになる

これまでのGAは、CookieをベースとしたWeb中心の分析でありセッションや直帰率などの指標を用いて、ビューで細かくサイトのページ単位での分析を行うことを主眼に置いていました。GA4では、計測思想がユーザー中心となっており、アプリも計測もGA4プロパティに統合されます(Google アナリティクス For Firebaseが統合)。

  • Web中心の分析
    • Webマーケティング、Web解析
  • セッションや直帰率などの指標
  • サイトのページ・コンテンツ単位での分析
  • ユーザー中心の分析
    • アプリとWEBの分析が統合
    • オフラインコンバージョンがインポート可能
  • エンゲージメント指標(≠PV)
  • プライバシー情報への配慮
    • GDPRやCCPAに準拠
    • GoogleシグナルなどCookie以外での計測

②GA4データをBigQueryに標準機能で連携可能となり、GAを「CDP」として使うことができるようになる

もともとGAでは有償オプション(GA360)でしか実施できなかったGA→BigQuery連携が標準(無料状態)で使えるようになりました。
※出力可能なボリュームには制限あり(1日に100万件のイベントまで)
※GA利用料金は発生しませんが、別途GCPのBigQuery利用料金は発生します。この機能はかなり強力で、BigQueryにGA以外のデータも取り込むことでGAをCDPのように分析基盤として使えるようになります。
この機能を使うために有償化する人も多かったのですが、GA4ではこれが標準で行えるようになったことは大きな進展といえます。

高度なマーケティング施策により、具体的には、下記ができるようになります。

商品レコメンドによるCVR向上
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といった機械学習アルゴリズムを活用したレコメンデーションが実現可能になります。

高度なオーディエンス配信によるCPA向上
  • コンバージョンしそうな人、LTVが高くなりそうな良客を機械学習で判定し、特殊なオーディエンスリストを作成
  • オーディエンスリストを用いたリターゲティング広告配信(見込みのないオーディエンスを少なくした効率的な広告配信)
コンテンツ・導線設計への活用

GA4の行動ログを分析することで、以下のような分析が可能となります。
・どのような順番でコンテンツをみるとLTVが高くなるか
・どのコンテンツを繰り返し見ると購入確率が上がるか

離反予測によるユーザ引き留め施策

GA4と会員退会データをかけあわせて分析することで、利用者の不満度を事前把握し、退会しそう、利用しなくなりそうなユーザに早めに打ち手をうつことが可能となります。
例)退会予測度が高いユーザに対して、特別な割引クーポン、ランクアップが近い案内を送るなど

③機械学習による自動分析、予測ができるようになる

今回のGA4では、各機能で機械学習が活用されています。
例えば以下のように、サイトのパフォーマンスで知りたいことを日本語で入力すると、調査結果が表示されたりします。
また何も入力しなくても、右のような特徴的なサイト指標の変化が自動で通知されます。

またユーザセグメント作成についても機械学習で自動作成される機能が追加されており、この自動セグメントを用いて広告配信も可能となります。

これまでのGAでもこのようなことは分析に長けたマーケターや機械学習を熟知したエンジニアならできたことではありますが、機械学習をGAに装着することで、導入ハードルを下げてより多くの人がデータ分析、活用できる世界観をGoogleは考えていると思われます。
(知りたいことをGoogle検索で調べる使い心地=サイト/アプリ分析、マーケ施策実施したい人がGAで調べる使い心地)

今後マーケターに必要となってくること

エンジニア的能力(仕様を把握、決める)

GAをCDP化できるメリットを最大限享受するには、BigQueryをCDPとして使うためのデータ設計、加工処理を整える必要があります。また機械学習の恩恵を得るためにはGoogle推奨イベントでのパラメータ設計が必要です。
このようにある程度エンジニアリング的なワークが発生するため、今後はマーケターがデータエンジニアと連携する場面も増えますし、マーケター自身が開発作業はしなくても仕様は理解しておく必要があると考えます。

分析的能力(機械学習の原理を理解)

もともとマーケターはアクセス解析しかりデータ分析はある程度できるものだと思います。
今後はその分析の幅を少し広げていくことでさらにGA4の機械学習を使いやすく、カスタマイズしていくことができます。
説明変数と目的変数の意味を理解し、どのようなイベント、どのようなインポートしたデータ項目を使うかを考えることが重要です。

データガバナンス的能力

これまでも必要だったものですが、サイトを構成する様々な要素(URL、画面遷移、パラメータなど)をしっかり管理することが重要になってきます。(これまでよりもイベントの数、種類が増えます)
前述のCDP化する場合は、エンジニアチームはそれらが重要な前提情報になります。

NRIデジタルではGA4を活用したマーケティング施策の設計、導入、運用支援をしています。
GA→GA4の移行支援も行っております。ご相談ください。

お問い合わせ先

NRIデジタル株式会社 矢治
E-mail:marketing-analytics-team@nri-digital.jp